写真の男 ニコラ・テスラ

kido2002-02-26

この男、姓はテスラ、名はニコラ、今世紀最大の発明家にして科学者である。


明王と言えばエジソンだが、そのエジソンに関する記憶はすっぱり消去して、この男のことを覚えておくことをお勧めする。
エジソンは確かに電球・蓄音機・映画など1000にも及ぶ特許を取得したが、これらは電球で巨利を得たエジソン商会が他の発明者から買ったもの、そうでなくても、基本原理はどこかの誰かが発見したものを実用化したものであって、原理からすべてをエジソンが一人で発明したものはただの一つもない。


一方テスラは、回転磁場の法則を見出し、電磁誘導モーター、電磁誘導発電機、アーク灯、送電システムの要でTVなどにも使われている高周波コイル、無線通信、遠隔無線操作装置、高周波照明(ネオンや蛍光灯の基本原理)、高周波治療システム、X線装置などを発明し、現在の送電システム、電話システム、無線装置の基本原理のほとんどを実用実験までたった一人でしてみせた男である。


この写真は、当時エジソンがやっと実用化にこぎつけた直流送電システムをテスラの画期的発明である交流送電システムが根底から覆すことを恐れたエジソンが、大々的に行った交流危険キャンペーンに対抗するために、テスラ自らの身体を数十万ボルトの電流を通して、手にもった高周波照明を発光させている写真である。
このエジソンのキャンペーンやパートナーとなった資本家の実力不足のせいで、彼は自らの発明や特許をほとんど金に替えることができなかった。


現在の発電システムや送電システムは結局のところ、エジソンの直流システムではなく、テスラの交流技術の発明で成り立っているし、ラジオもX線も電子レンジも誘導ミサイルもテスラの発明から副次的に発生した物である。


さらに彼は、レーザー光線、粒子ビーム、エネルギー・シールド(いわゆるバリア)、オウム真理教が実験しようとした地震兵器(これは機械振動の実験中に予想外の地震を起こしてしまったのだが)や世界システムと呼ばれる全地球エネルギーシステム(これは地球自体を電気的に振動させるシステムだが、無限エネルギーシステムと誤解されている。実際には地球を電気的に励起させるために莫大なエネルギーを使うので、無限エネルギーシステムではない、ただし、アンテナがあればそのエネルギーを地球上のどこででも取り出せるという点で画期的な着想のエネルギー輸送手段、あるいはとんでもない兵器、である)の基本原理を説いた論文も残している。(一部はいまだにアメリカの機密文書である)


コロラドスプリングスに建築された地球システムの実験で、彼は巨大なアンテナから地球を電気的に振動させ、負荷に耐えられなかった発電所を破壊し、コロラドの町を停電に追い込んだ。


物騒な実験やエネルギー・シールドやら地震兵器やらといきつくところまでいった彼は、マッドサイエンティストの典型的なモデルとされ、科学界や発明界よりもSF界やオカルト界でその名を馳せたという不幸な男である。
そのため、彼が死ぬ直前まで彼の業績を公式に称えるものはいなかった。
死の直前に学会から名誉を回復されたものの、1943年、彼は安ホテルで唯一の友人であるハトと暮らしたその部屋でその生涯を閉じた。


現在、テスラの功績を再評価しようという運動がやっと実を結び、テスラの名前は偉人の名簿に記載され、1万ガウス=1テスラと磁力線の単位に命名された。


これほど偉大で、これほど夢があり、これほどスケールが大きく、これほど不遇だった男はいない。