経営についての考察6

またまた、しごくしごくあたりまえなことを書かなければならない。なのだが、ほんとに、できてない会社が多すぎると思うのだ。
まぁ、儲かってる会社ってのはあんまりいじりたくないし、儲かってない会社ってのは、中をいじるまえに存在価値についてじっくり考えるべきなのかも知れないが。
一応お断りしておくと、わたしの会社は、ある業種のある専門分野ではシェアが県でNo.2くらいのところにいる。もしかしたら、もう1位かもしれない。このシコーノカテーを書き始めたころはベスト5にいるかどうかだった。
ちょっとは「読もうかな?」という気になっただろうか?
そういう人は、幸福の財布なんかの実例に弱いので気をつけたほうがいいかも知れない。


フローをきちんと把握していると、それはINPUTからOUTPUTまで結局は一本の線になることがわかるだろう。
ところが、それぞれの専門部署では、毎日毎日同じことをやっている。フローは一本道なのだが、それを処理するところはいくつかのフローの束を同時に扱い、まとめて加工し、次の部署に手渡している。この繰り返し作業をルーチンという。


◎ルーチンを最小化し、高速化せよ。
ルーチンというのは、繰り返し処理のことだ。
プログラムのルーチン処理の中にある変数を毎回比較するプロセスが含まれているとする、しかし、その変数はルーチンに入る前に決定されているとしたら、変数の比較はルーチンに入る前にたった一回行えばすむことである。ルーチンの中で毎回行う必要はない。ルーチンの中に余分な仕事を入れない、というのはプログラミングの初歩中の初歩なのである。


ルーチンワークというのを反復して単調な仕事という悪いイメージだけで捉えてしまいがちだが、どんな仕事にもルーチンは存在する。ルーチン一回転ごとに別の部署に書類がまわり、そこでもルーチンが独自に回っていて、それが完了しない限りはじめのルーチンは完結しない。そのようになっているので、ルーチンの存在そのものに気がつかない経営者が多い。


例えば、ある人は経理、ある人は発注担当、ある人は営業の補佐のように一見それぞれの作業が分離しているように見える場合でも、フローをたどっていくとそれがひとつのルーチンになっている。受注から発注、経理までが数分で流れていないというのは、そもそもおかしい。必ずひとつのルーチンになっているはずであるし、そうなっていなければ、恐ろしく時間がかかっているはずである。


このような場合、最短で行わなければならないフローにすべての回転をあわせることが重要だ。


すべての作業をひとつのルーチンの輪の中にまとめあげ、ルーチンの中に不要な作業をルーチンの前後に配置しなおして、ルーチンを最小化するのである。


ある事務仕事をする部署では、同時に会社に掛かってくる電話の応対もしているとしよう。その机にはA、B、Cの事務員がいて、3人は分担して流れ作業で仕事をしている。これは、事務員に仕事を一度に覚えさせるのがたいへんなので、君はここまで、あなたは続きからここまで、と順次に仕事を教えてそのまま固定してしまうことによってよく発生する。その作業中に電話がなり、誰かが何かを言いつけられて席を立つと、とたんにその下流の仕事がヒマになる。そこで利口な管理者は、ルーチンの流れを守るために電話を取る専門のDさんを雇う。これで処理はスムーズに流れていく。

というのは、間違いである。

管理者はルーチンを最小化しなければならない。
プログラムで言えば、行数を減らすとか、作業時間を短くするということになるが、ひとつのルーチンが行う多くの処理を小さなルーチンに分散させることもひとつの手段である。これを並列処理と言う。
A、B、Cそれぞれに完結するまでの仕事をすべて教え、一番作業効率の悪い人が電話を取ればよい。たぶん、A、B、C、Dの流れ作業より効率はよくなるはずである。また流れ作業には誰かが休むと仕事がまわらないということもよく起こる。このようなリスクとロスも1/4に抑えることができるのだ。