ゆとりの時代

つい最近、ゆとりの時代について、文部大臣とおかあさんの対話番組がありました。いや、文部大臣だよな。たぶん、きっと。ま、いいか。


出てきたおかあさんは、そらもう教育熱心な方々ばかり。


はい。人選ミスですね。


見たとたんにそう思いました。


ゆとりの時代のゆとり教育ってなんなのでしょうか。


『完全週休2日制』『円周率は3になる』『台形の面積を求める公式は廃止』


そんなことだけが報道されてますね。


で、おかあさんたちは、そんなことで高校受験や大学受験は大丈夫だろうかとキツイまなざしです。


もともと、塾に通う子供が90%を超えてたり、義務教育の『教えなさ』が時々批判されてきてるのに、追い討ちをかけるようなこの『ゆとり教育』ってなんでしょう。


というわけで、番組は進行していったわけですが、番組で言えなかった、あるいは、言ったけど放送されなかった部分があるわけです。


それはそもそも義務教育とは何か。です。


憲法で権利とされている教育。また国と親の義務とされる教育。それは、国民すべてが受けることのできる、最低限の教育のことです。


義務教育は最低限なの。


どっこにも、最高の教育を受けさすなんて約束はありません。
国はそんな義務ありません、親にもありません。
高等学校や大学というもののために義務教育は存在していません。
逆に、義務教育で足りない部分を補うのが高等学校であり、大学なんです。
もちろん、塾もそう。


だから、小中学の不登校や勉強についていけず惰性で授業を聞き流している『教育の機会を得られない子供達』が今回の改正のターゲットです。
世界一の大学進学率を誇り、バングラディシュなみの学業成績しかあげることのできない義務教育について、もっと全員がわかりやすく、そして、『生きていくのに本当に必要なこと』をきちんと教えるのが今度の改革の目的なのです。
だから、総合学習の時間が増えてテーマを自分で設定できるようになった。
学校の授業についてこれない子供が、苦手を克服するチャンスを与えるためです。
あるいは、苦手な学科学習だけに捕らわれずいろんなことが学べるチャンスを与えるため、ですね。


進学校へ進みたい子供は『自分のリスクで』塾へ通えばよし!


ということ。


わたしは全般的に今回の改正には大賛成ですね。


できれば、PCのセットアップとか、避妊、自己責任の原則、などをもっともっときっちり学校で教えてあげて欲しいと思います。
数学や英語は『実用の範囲』にとどめればいい。
実用の範囲で円周率は3で十分です。つつ縫いの型紙もそれで作れる。


教育ママに言いたいのですが、義務教育が充実して授業内容が高度化すればするほど、トップレベルの大学を目指すために非常に過酷で無価値な勉強を強いることになるんですよ。もっと全体がレベルを下げて、そこで、本当に勉強が好きな子供に不必要な勉強をさせずとも、大学が必要とする知識だけで高校を卒業しようとも、東大の収容人数は変わらないのですから。


だって、そもそも、今の大学卒業生たちを見てください。
あれだけの努力をして学校を卒業して、就職先がないのです。
運良く入ったとたんに雪印乳業廃業です。


過去にこれほど報われない世代はいなかったでしょう。


暴動が起きないのが不思議なくらいです。


彼らの世代があと10年もすれば子供を育てはじめるのです。


過酷で無駄な努力を強い、なにひとつ見返りをくれなかった教育に熱心に取り組むと思えますか?


わたしがその世代だったら、子供が小学校卒業後、即フリーアルバイターにさせますね。


早めに働いて貯金した方がマシってもんです。