負ける法則

株関連のBBSなどを覗くと人が負ける法則を垣間見ることができる。
これは株に限らずあらゆる博打、または仕事、または恋愛にも適用できる。


まず、資産の20%ほどを株に投資する。
初めは現物買いから入る。


ここまでは、ほとんど同じ。
仕事で言えば、最初は手堅く就職するといったところ。
恋愛なら過熱する前の段階で軽くつきあって見るという感じ。


そして、ちょっとした成功に増長する。
株でちょっと勝つと、20%しか投資しなかったことを後悔し、増長して全力投入する。
仕事で言えば、自分の取った仕事を会社の信用やネームバリューを計算に入れず独力と勘違いし独立する。
恋愛なら自分より相手の方が過熱することに調子づく。


しかし、いいことばかりは続かないものだ。
全力投入した株が含み損を出したり、独立して仕事が思うようにとれなかったり、調子に乗りすぎて相手から冷たくされたり。


そして、負ける人ほど、思い通りにいかないことに精神の安定を失う。


負ける人は負けたことに固執する。
勝っても利益確定して次の相場を待つことをせず、目先の小さな利益を拾おうとして次から次へと売買を繰り返す。
仕事がとれないと、ついつい焦って小さな商売を片端から引き受け、小忙しく利益が出せない。ライバルから仕事を奪っていい気になるが、実際には少しも儲かっていない。あげく、安くやってやったのにと客にまで不満を持つ。
相手が一度冷たくすると、食事にいってももっと美味いものを食わせろ、プレゼントを渡しても趣味に会わないと、妥協を知らず喜ばない。


とにかく、持てる精神力を全部投入して、細かなことをあれこれやりはじめてしまう。しかも、小さなことに満足せず、どこまでも自分の基準で勝つことにこだわるから手を引く時期さえ見逃してしまう。


負ける人は、負けている状態に辛抱できず、事態をどんどん悪化させる。


勝ちは無限である。
勝ちに上限はない。


だが、負けには加減がある。
0あるいは支払い限度額を超えたマイナスに陥ったらゲームオーバーである。


ところが、負ける人はここからがおもしろいのだが、好機をじっくり待つことができず、勝つことへの渇望で全体が見えていないので、人が同じことをやっていれば心の底から軽蔑するようなことを自らやってなんとも思わない。
かっこいいつもりでいつのまにか要領が悪くなっている事に気がつかない。


なんでもかんでも自分の欲目でものを見るから、客観的な判断を失って奇妙な自画自賛に終始する。
誰も手を出さない株を大量に抱えて勇気を示したつもりになったり、どう考えても信用を失いそうなヤバい仕事に手を出したり、恋人に言いたい放題の自分を他人に自慢したり。


もう、周りはすっかり呆れているのに、本人だけが気がつかない。


よい相場も悪い相場も見極めないので、勝負どころで資金がなく、勝つ時は小さく、負けるときはいつまでも意地になって大きく負ける。
目一杯儲からない仕事を取りまくるくせに、得意先の悪口を言って歩いたりコロコロと商売相手を変えたりする。
すき放題のやり放題をしながら、次から次へと相手を変える。


とにかく、負ける人は忙しい。
パーシャルな状態やちょっと勝っている程度であきたらず、せっかくのチャンスが来てもへんなところで見切ってしまう。


いくら負ける経験を積んでも、勝てる方法を学ぼうとしない。


傍目から見ると、わざわざ負けているようにしか見えなくなる。