なぜか人をひきつけてやまない怪しい儲け話
わたしが最も怪しいと思った儲け話は、あまりにも痛快な怪しさだったため、金さえあったらやってたかもしれません。
『その1:アラブでフェラーリを掘る』
アラブは金持ちの国である。
従って、高級車の中古車なんぞに誰も目もくれない。
しかも、砂漠以外に土地があまりない。
そんなわけで、砂嵐に埋もれちゃった中古自動車屋というのがいくつもある。
その発掘権、ずばり!200万円!
そらもー、悩みました。
スコップ持ってアラブへ行こう!
と友人に誘われた時は。
あまりの馬鹿馬鹿しさとその幻想の美しさに。
あ!ポルシェめっけ!
うぉ〜!フェ、フェラーリが出てきた!
二人の歓喜の声がアラブの砂漠にとどろくのです。
『その2:バングラデシュで香木を掘る』
バングラデシュはマングローブの干潟ばかりの国である。
干潟は何でも腐ってしまうが、特定の条件で埋もれた木はなぜか何百年も腐らない。
その木は燃すと不思議な香りがして、今世界の香料界では花形スターになるかも知れない。
バングラデシュの賃金は安いので一日4000円ほどで200人が雇える!
さあ!一緒に幻の香木を探しに行こう!
目の前に広がるマングローブの森。
手彫りカヌーに乗り200人の労働者を従えムチを振るう若きフロンティア。
うぉ〜出た〜〜〜〜っ!
この二つを提案したのは、7年前に脳腫瘍で死んだ友人でした。
なぜこいつには、こんな話がいくつも転がってくるのだろう。
不思議でしたが、好きでした。
こんな話も。
友人も。
こんな怪しい儲け話にはいつもワクワクするわたしですが、
人の作ったルールでやるマルチが嫌いです。
それどころか、パチンコも宝くじも大嫌いです。
それはなぜか。
自力で一発逆転できないと認めてるような気がして、とてもとても
恥かしいからです。