ラ・マンチャの男

松本コーシローのラ・マンチャの男をみたのは、かれこれ20年も前になる。


これはドン・キホーテの話である。


当時、松本コーシローは何歳だったのだろう?


ドン・キホーテは、もうろくしたじいさんなのである。
しかし、当時の松本コーシローはもうろくしたじいさんには見えなかった。


そのため、松本コーシローのドン・キホーテはなんか『あっちへいった人』ぽくて妙に気の毒だった。


ともかくドン・キホーテという人物は、わたしにとってやはり憧れの男だ。


仕えるべき主人を探す、騎士。


もちろん、主人は高貴なレディでなければならない。


そして、あるじのためには無謀な闘いをいとわず。


またあるじのために戦うことを求めつづける。


あるじに仕え、恋しながら、同時に女性すべてに賛辞を送る。


それが騎士のたしなみであり、女性に対する礼節だからだ。


カッコいいのである。


これを顧客と企業という関係でみてみると、勇敢で立派な騎士は、理想的な企業であることがわかる。


とてもカッコいいのである。