◎好きな言葉
All moments will be lost in time , like tears in the rain.
これは映画ブレードランナーでレプリカント(人造人間)が死ぬ(?)時に吐くセリフである。演じたのはルトガー・ハウアーであった。
「(人生の)すべての瞬間はやがて時の中に消え行く、雨の中の涙のように」
雨の中で泣いたとしても、雨滴と涙の区別ができるのは泣いている自分だけ。
人生のすべての瞬間もまた、時の流の中にそれを知るのは自分だけ。
という意味であろう。
人造人間らしい人生観である。
無宗教、非来世主義のわたしにはとてもしっくりとくる。
「いまる」
明石屋さんまの娘の名前である。
生きてるだけでまるもうけ、を略した名前である。
これも好きな言葉だ。
「天音(あまね)」
ストリング理論にのっとった宇宙観に則って娘に命名しようとした名前である。
実際には画数の加減で却下となった。
占いを一切信じないわたしとしては、いまだ悔恨事である。
人生は宇宙の奏でる音であるという意味。
なんら価値もなく、ただ鳴るのみという気持ちである。
神を信じていない人間のロマンである。
「ぼくらは舞い散る木の葉のように」
劇作家、竹内銃一郎の作品題名である。
作品もシュールでもの哀しくてよかったが、タイトルでノックアウトである。
こうやってならべてみると、わたしが人生に無常観を強く持っていることが自分でもよくわかる。
ただ、それだけでなく、その無常な人生に、その儚さを儚さと捉える人の情感を強く意識しているように思う。
なぜ、自分は生まれたのか、どこへ行くのか。
考え続けた10代、20代であった。
そして、少なくとも、そんなことを考えるために産まれたのではないことに気づいたのは30代であった。
なぜ、自分はここにこのとき生まれ、どこへ行くべきか。
自分の運命や行いのどこに価値があるのか。
そのすべては、人にとって意味はなく。
自分にさえ答えは永久にわからない。
ただ、自分が決めればそれでいいのだ。