人生の勝組負組は運で決まる

ここに、さいころがある。


このさいころは、あなたの人生である。


さいころをふって偶数が出ればラッキー、1ポイント。
奇数が出ればアンラッキー、−1ポイント。
そして、折れ線グラフを描いていく。


人生には何が起こるかわからない。
ほとんどのひとは、最初のスタートが0であるなら、0ラインに絡むようにぎざぎざした水平線を描くと信じている。


ところが実際はそうではないのだ。


実際に、さいころで実験をしてみればあきらかになるが、かなりの確率で(90%)、一度0ラインを突破した線は2度と0ラインにタッチすることはないのである。


実際に実験するのもたいへんなので、それがなぜかを簡単に解説すると、さいころによって描かれるグラフは、永久に勝ち続ける45度の上昇線と、永久に負け続ける45度の下降線の間の空間のどこを通ってもよい。同じ用紙に繰り返しグラフを描いていくと、均等に黒くなってくるハズである。偶然は均等で平等であるというのは、そういう意味なのである。
そして、0ラインに絡むように進むレンジの広さは、全体の空間の広さに比べると10%程度しかない、ということなのである。


したがって、グラフは上昇または降下で0ラインから離れると、そこから逆転することはなかなかないのである。


この話の核心はここだ。
ひとは、平等という言葉を完全にはき違えている。
平等とは、誰でも勝組負組どちらかへいく可能性がある、という点で平等なのであって、勝組から負組へ転落する可能性は10%程度に過ぎず、その可能性は等しく同じだという点で平等なのである。


ほんとうに、世の中が権力や金や才能に左右されず、すべての人が等しく平等で、運によってのみ人生が決定されてくるとしたとしても、歴然と勝組負組が存在し、その立場は容易に逆転できないのだ。